なぜ、人は”ヨガ”にハマるのか？ヨガがもたらす効果と魅力

ヨガはすでに、ブームの時期を通り越し、完全に定着したものになりました。
心身に及ぼす効能は、多くの人を引きつけています。
では一体ヨガの何が良いのでしょうか？
ヨガのもたらすその効果と魅力について、あらためて見てみましょう。

体を柔らかくするだけでなく、心をストレッチしてくれる

フィットネス専門家で、ヨガの公認インストラクターでもあるJeanine Talentoさんは、
「体が健康になるばかりでなく、精神が変わっていくのを感じる」
と話します。
ヨガを続けて行くと、体の開放や体力の増加を感じるのはもちろんですが、精神も強くなっていることを気づかされるそうです。
現代の複雑な社会で生活する上で、心に鍵をかけたままでいることは不可能に近いでしょう。
周囲の雑音に影響されまい、傷を負うまいと鎧をまとえばまとうほど、中の心もいつしかガチガチに固まってしまいます。
疲弊した心にヨガは、ゆっくりと優しく浸みてきます。
ヨガクラスで、ポーズを一つ一つ習っていくごとに、イライラさせられていた問題や、人の言葉が、ぼんやりと曖昧な形になり、いつしか溶けて消えて行くのです。
その効果は、ヨガのポーズを取っている間だけでなく、マットを下りた後も続きます。
ガチガチに固くなっていた心が少しずつ柔らかみを増していくと、なかなか眠れなかった夜も、すっと眠りにつけるように変わっていきます。
翌朝も、それまでのどんよりした目覚めではなく、肌に当たる太陽の光が心地よく、爽快な気分で一日を始められるようになるのです。
柔らかさを増した心は弾力を持ち、物事を受け止める力も大きくなっていきます。

脂肪をそぎ落とし、代謝を上げ、病気に負けない体に

心と体の繋がりは明白です。
健康で幸せだと心が喜べば、体もその喜びについてきます。
ヨガの医療現場への応用が試される機会が増え、ヨガをテーマにした研究も多くなりました。
ハーバード大学が行った研究では、慢性ストレスを抱える患者210人のうち70人をヨガクラス（20分間）に、残りを別のリラクゼーションクラスに参加させました。
すると、ヨガグループに参加した方が、ヨガの初心者であっても、健康的にプラスの影響を受けていたそうです。
20分のプラクティスだけでも、エネルギー代謝、インスリン分泌に役割を果たす遺伝子が増加し、一方、炎症反応やストレスに関わる遺伝子が減少したことがわかりました。
また、カリフォルニア大学ロサンゼルス校で行われた研究でも、ヨガを1日12分、8週間続けた結果、テロメア配列の伸長に関わるテロメラーゼの活性が43％増大したそうです。
その他にも、高血圧、慢性疼痛、うつ病への好影響を指摘する研究もあり、治療現場でも注目されています。
歪んだ体や心で、毎日の生活を送ることはとても辛いことです。
少しでも、矯正でき、まっすぐな心身を取り戻せるチャンスがあるのなら、試してみることも悪くはないでしょう。