水問題を解決。飲める本『The Drinkable Book』は銀イオンでバクテリアを死滅

「飲める本」とは一体何か？

世界では毎年340万人の人々が「不衛生な水」が原因で命を落としています。
そんな水問題を解決するために考案されたのがこちらの「本」。
『The Drinkable Book（飲める本）』と呼ばれるこの本は、読み終えたページを切り離し、ケースに挟んで水を注ぐとフィルター代わりとなって「安全な飲料水の確保」が可能となります。
1ページで成人男性1人分の水を約30日分確保でき、本一冊にするとなんと４年分。

従来とは違った仕組みによる浄水

この『The Drinkable Book』、実は従来の浄水フィルターのように濾過を利用して有害物質を除去する訳ではありません。
カーネギーメロン大学とヴァージニア大学の研究チームによって開発されたこのフィルターは、バクテリアなどに対して極めて強い殺菌力を示す銀イオンによってコーティングされており、水が通過する際にそれらを死滅させます。
紙を銀イオンの溶液に浸したあと、取り出して少し乾かし、再び銀イオンでリンスして完全に乾燥させて完成。
その結果として、紙が濃いオレンジ色になっているのだとか。
厳密には本そのものが飲めるようになるわけではありませんが、存在意義、使用技術、ともに素敵なプロジェクトです。