『物』より『経験』を！新しい時計を買うより雨のキャンプのほうが幸せに

幸福感とは、何によって得られるものでしょうか。
高級外車や時計、ブランドバッグにお金をつぎ込むことでしょうか。
それも幸福感を誘う一つではありますが、近年の研究によると、そうした幸福感は”短期的”なもので、長続きするのは『経験』であるということが明らかとなっています。

コーネル大学の心理学者、トーマス・ギロヴィッチ教授が率いる研究チームは、たとえ、休日のキャンプで雨に降られたり、意気揚々と出かけて行った人気レストランの味が期待外れだったりと、さんざんな目に合った経験でも、物質的な物を購入するより幸福度は大きいと結論付けています。

研究チームが行った調査では、新製品を購入した人と、美術館やコンサートへ行くなど経験にお金を払った人に、その満足度を報告してもらいました。
最初は、両者の満足度は同じ程度だと判断されましたが、時間をおいて尋ねると、物質を購入した人の満足度は下がり、経験を買った人は上がったという結果が出ました。
研究者は、
「経験はそれが苦いものでも、後になって懐かしんで話せるものになる。貴重な一つの思い出になるのだ。
思い出すたび、楽しく、幸せな気持ちになる」
と説明しています。


また、人との繋がりを生みだすものでもあるということ。
新しい場所で、新しく出あった人々との経験は、さらに新しいことを生みだす可能性が広がります。
さらに、経験を共有するより、物質を共有した方が争いのタネになりやすいことも指摘しています。
ギロヴィッチ教授は、
「新しいものを購入すると、その時は嬉しく幸せな気分になることは間違いない。
だが、しばらくすると、その高揚感は消え、新しい物は古い物になる。
また、隣の大きなテレビが羨ましくなったり、新しいiphoneが欲しくなるのだ」
と話します。
こうした物への執着度がひどくなると、いわゆる『買い物依存』ということになるのでしょうが、、、
それはもう「幸福」とはいえない状態かもしれません。